サッカーにおけるチップキックという蹴り方は、短い距離で相手の頭上を越えたい時に有効な蹴り方になります。
また、そこまで相手を超えるような高さでなくても、シュートを打つ時に少しだけボールを浮かし、セービングしてくる相手ゴールキーパーを交わすような軌道を描くので、シュートにも活用することができる蹴り方です。
しかし、通常の練習ではなかなか行うことが少ないので、自主練や遊びの中で培っていく技術と言えます。
通常の練習では蹴らないキック
チップキックは、わざわざ通常の練習で行うことはほとんどないキックの種類です。
それは、基本的な動きやパスの中では、なかなか使うことがないものだからです。
しかし、このキックをマスターしていれば、相手にフェイントをかけたり、意表をつくようなパスを出すこともできますので、便利なキックとも言えます。
チップキックをマスターするには、自主練や遊びの中でコツをつかんでいくことが重要になってきます。
シュートにも応用が利きますから、覚えておいて損のないキックと言えます。
チップキックを蹴るには
チップキックを蹴るには、真っすぐに踏み込んでいくことが大事になってきます。
大抵のキックは斜めに踏み込んでボールの中心、もしくは下を押し出すように蹴るどちらかがキックのやり方と言えます。
しかし、チップキックはボールの下に足を差し込むように入れますので、踏み込みはまっすぐ入る方がやりやすいのです。
そして、足を降りきらずボールと地面の間に上から差し込むように入れ込みます。
それにより、バックスピンをかけながらふわりと浮かすようなボールを蹴ることが、チップキックのやり方になってくるのです。
①ボールと地面の間に足を差し込む
ボールと地面の間に足を差し込むのがチップキックですが、これにはコツがいります。
インサイドキックやインステップなどであればボールを足に乗せて振り切ることがポイントとなっていましたが、チップキックは、ボールの下を突きバックスピンをかけるように上に浮かすのです。
それにより距離は出ませんが、上に上がるボールを蹴ることができるようになります。
これには何度も練習を繰り返しボールに触る位置、ボールへ足を入れる角度を体が覚えなければなかなか蹴ることができません。
このポイントをつかめば、足を振りきらずとっさに止めることでチップキックに切り替えたり、パスやシュートを打つこともできるようになるのです。
②膝下の振りを早くする
チップキックの蹴り方も他のキックと同じ分部もあって、それは、膝下の振りを早くすることです。
キックはどれも、足を大きく振ればしっかりと蹴れるものではありません。
膝下のスピードを早くして、ボールに力を加えてあげることで、力強いキックをすることができるのです。
チップキックも足を振り切るキックではありませんが、足を差し込むまでは、振りを早くした方がよりしっかりとしたキックをすることができるのです。
コーンを置いてその上を越えるようなキックを何度も繰り返すことで、目標を持てば、自然と足の振り方や使い方も体が慣れていきます。
キックのバリエーションとして
キックのバリエーションをたくさん持っておくことは、サッカー選手としての幅を広げられる要素と言えます。
基本的な蹴り方は大事になってきますが、それだけではなく変わったキックをすることができれば、とっさの時に様々な技術を使うことができるからです。
バスにしてもシュートにしても様々なバリエーションがあれば、通常のパスと比較して意表をついたパスを出したり、シュートを打つことができます。
それを見せることで相手が寄せにくくなり、プレッシャーのかからない状態で様々なプレーができるようになるからです。